このブログでも以前取り上げたMNP高額キャッシュバック終了との流れ。
4月に入り既存ユーザーに負担を強いてきたMNP高額キャッシュバックが消えた!?
4月以降は各キャリアともMNP高額キャッシュバックは終了!? ソフトバンク販売報奨金を3万円に減額
4月以降もMNPによるキャッシュバックがまったく無くなったわけではなさそうですが、ほぼ風前の灯火状態のようです。
MNPユーザー
MMD研究所が、2013年10月~2014年6月までのMNPをした高速通信(Xi/4G/LTE)対応スマートフォンを利用しているdocomo、au、SoftBankのユーザー各600人の計1,800人を対象に「MNPユーザーのスマートフォンネットワーク調査」を実施し結果を公表しています。
調査内容は、MNPをした時期、MNP前と比べてスマートフォンの”つながりやすさ”や”通信速度”がどうなったか、MNP前と後でのパケ詰まりの発生頻度の3つの項目で、そのうちMNPを行った時期については新年度前の3月が最も多い結果となっています。
3月中旬に総務省が携帯キャリア各社に高額キャッシュバックを自粛するように指導をしたとかしないとかというニュースが駆け巡り、(結局、総務省からの指導はなかったようですが・・)
それまでMNPの高額キャッシュバック目当てで複数の回線契約をしていた通称MNP乞食の方々が慌てふためいたのは記憶に新しいところです。
と、話を戻し、今回のMMD研究所の調査結果の中でMNPを行った時期について3月に行った方々の比率が異様に高くなっていました。
調査結果はこちら。
この表は昨年の10月から今年6月までにMNPを行った方々の比率ですが、今年3月にMNPを行った方が28.9%と、約3割にも上ります。
また3月以前までの毎月の比率がほぼ10%代だったのに対して、今年4月以降の比率はおしなべて一桁。
しかも4月から6月にかけて順調に?減少傾向です。
毎年3月といえば年度終わりで新年度にむけてMNP需要が年間を通して一番拡大する月であるのも確かですが、昨年まででいえば4月の中旬近くまでMNP需要は続いていました。
4月以降にMNPでの高額キャッシュバックが終了するというニュースをもとに3月に駆け込みMNPが発生していたとしても不思議ではないかと。
また現に、4月以降はそれまでの高額キャッシュバックの嵐が嘘のように鳴りを潜めてしまっています。
高額キャッシュバックは復活する?
4月以降の鳴りを潜めてしまった高額キャッシュバックですが、今後はどうなるのでしょうか。
今年度末までは今の状態が続くものと思われますが、わたしの個人的な意見として来年度以降に復活する可能性は0ではないかもしれません。
しかしそれは以前のキャッシュバックとは違う形で。
通話定額サービス
いま現在、携帯キャリア各社は通話定額サービス導入という大きな流れの中にいます。
docomoとソフトバンクはすでにサービスを開始しており、auも早ければ秋、遅くとも年内にもサービスを開始するものと思われます。
各ユーザーの通話定額サービスへの移行がスムースに進むとしたら、携帯キャリアにとって結果的に増収増益の流れとなるでしょう。
その増益の大部分はあと数年後に控えている次世代通信のための設備投資に振り向けられるとはいえ、ユーザー獲得競争は今以上に熾烈になってくるものと思います。
そうなると、いかにユーザーを獲得するかということで獲得のための施策を打たなければなりません。
そこでユーザー獲得のためのお金を使った施策の復活です。
SIMロック解除義務
つい先日、総務省が携帯キャリアへのSIMロック解除を義務付けするという報道がありました。
【SIMロック】総務省SIMロック解除義務付けへ。ついに日本でもSIMフリー端末が!
このSIMロック解除義務付けによって、携帯キャリア各社はSIMフリー端末を販売しながらユーザー獲得を行っていくこととなります。
上記の記事でふれていますが、SIMフリー端末を販売すると、これまでは自社でしか使えないことが前提にあったおかげで実現していた本体0円や実質無料で販売していた携帯電話の価格が高騰する可能性がでてきます。
通話定額サービスの導入で月々の利用料金が実質値上げとなったいま、携帯端末までも価格が高騰するとなると各社のユーザーはお手上げです。
もうただ高いだけでどうしようもない。
わざわざ携帯会社を変えるメリットもない。ただ高いだけという八方塞がりの状態です(-_-;)
SIMフリー端末の威力
では、日本の携帯ユーザーがほぼSIMフリー端末に移行が進んだあとのことを考えるとどうでしょうか。
そういった時代になることで威力を発揮するのがSIMフリー端末です。
これまで携帯キャリアを変更することはすなわち、携帯電話本体も購入することになっていました
しかしSIMフリー端末であればそんなことは必要ありません。
携帯キャリアと契約してSIMカードを手に入れれば良いだけです。
使用している携帯電話のSIMカードを刺しかえるだけでMNPが終了です。
携帯キャリアとしては新規契約の必須条件だった端末販売という縛りから解放されるわけです。
そうなると携帯端末の販売に対する販売奨励金を減らすことができます。
よって携帯キャリアは単に新規契約に力を入れることに専念すればよいことになり、結果ここに販売奨励金の内部留保分の資金を投入できるというわけです。
様変わりする携帯の契約
これまで携帯キャリアが新規契約を獲得するために必須ともなっていた携帯端末販売のための販売奨励金。
まだまだ先の話ですが、いずれ日本の携帯ユーザーがみんなSIMフリー端末を所持するようになったら、大きく携帯電話の契約とうものが様変わりする可能性があるということです。
携帯キャリア各社は端末販売と新規契約業務を切り離すことができるため、新規契約の獲得に莫大な資金を投入できるようになります。
これまでのように販売している携帯電話ごとにキャッシュバックとう手法ではなく、契約してくれたらいくら!というような形になってくるでしょう。
もっと極端な話をすれば、今使っている携帯キャリアの契約はそのままで、うちで契約してSIMカードを持ってくれるだけでいいよ!今使っているところの月々の利用料金を3か月や半年、はたまた1年間は負担するから契約してくれよ!なんてことも。
どうなる日本
以上、書いてきたことはひとつの仮説でしかありません。
まったく違う携帯事情が将来まっているかもしれません。
ただSIMフリー端末が日本中で広まるということは、それほどまでのインパクトがあるということです。
SIMロック解除が義務付けられたら日本はどんな携帯事情の国に変わっていくのでしょうか。
遠くない将来の日本を今回のように想像してみるのも面白いです。
今回は以上です。
ほなまた。
冒頭で取り上げたMMD研究所の調査結果のその他詳細はこちらで公開されています。
興味のある方はどうぞ♪
MMD研究所:調査データ
via MMD研究所