「そもそもLTEってなに?4Gとは? できるだけ簡単解説してみる!」シリーズの第4弾です。前回のその3から少し時間が空いてしまいました。。汗
これまでのシリーズを読んでいただくとよりスムースに内容を把握できるかと思います。 よろしければ下記からどうぞです。
・そもそもLTEってなに?4Gとは? できるだけ簡単解説してみる!・・その1
・そもそもLTEってなに?4Gとは? できるだけ簡単解説してみる!・・その2
・そもそもLTEってなに?4Gとは? できるだけ簡単解説してみる!・・その3(LTEの電波について。周波数帯?帯域の幅?iPhoneは?の巻)
では第4弾の今回は「NTTdocomo」のLTEに迫ってみたいと思います。
今回も”簡単でわかりやすい解説”をテーマに書いていきたいと思います。もう既に知ってるよ!って人にはまどろこしい記事かと思いますが”簡単わかりやすい解説”がテーマなのでよろしくお願いします。
前回までLTEとは4GとはXi(クロッシィ)とはということを簡単に解説してきました。
第4世代(4G)である通信規格の「LTE」。このLTEを使ったサービスにdocomoでは「Xi(クロッシィ)」という名称を付けて展開しています。
その中で前回、このような表を載せました。
※1.理論値であり実際の通信速度は、通信環境やネットワークの混雑状況に応じて変化します ※2.対応している地域のみ、また対応端末の場合。
docomoがXiのサービスを行っている電波には複数の周波数帯の電波があり、地域や場所により異なる周波数帯の電波が使われています。また使われている帯域の幅によって最大受信速度も変わります。
とこのように、docomoは複数の周波数帯の電波を使っており帯域の幅により最大受信速度が違ってくると書いたのが前回までです。
・ここで最大受信速度という言葉について
携帯電話ではメールを送信する/受信するといったように、こちらから相手に向かう通信ととこちらに相手から向かってくる方向の2方向のデータの通信方向があります。
このうち相手から向かってくる方向のデータの速度について受信速度とこの解説では言ってきました。この受信速度のことを一般的に下りの速度といったり表現することがあります。
逆に相手に向かう方向のデータ速度のことを(送信速度)を上りの速度と一般的には表現することが多いです。
- 送信速度(相手に向かう速度) = 下りの速度
- 受信速度(相手から向かってくる速度 = 上りの速度
ここからはそれぞれを・下り・上りと表現して書いていきたいと思います。
- docomoがXiで使っている電波の周波数帯
Xiのサービスでは、800MHz帯、1.5GHz帯1.7GHz帯、2GHz帯の4つの周波数帯を使ってます。それぞれの周波数の帯域の幅と最大下り速度を表で示します。
※1.理論値であり実際の通信速度は、通信環境やネットワークの混雑状況に応じて変化します またそれぞれ対応している地域および対応端末の場合。(2014年1月現在)
このようにに4つの周波数帯を使っているうえにその帯域の幅も各々違うので、ひとくくりでXiといっても届いている電波の種類による最大の下り速度は大きく違います。また利用している携帯言電話によっても対応している周波数帯が違うので、同じ地域や場所でもお持ちの携帯電話の機種により通信できる速度が違うのです。
このように最大下り速度は千差万別といってよいほど違います。
また、docomoがXiのサービスを始めた当初は2Ghz帯を使いサービスを開始しました。その後Xiのサービスエリアを拡大していくにあたりXiで使う周波数帯を増やしていきました。
その経緯はこちら
Xiサービスは当初2Ghz帯で、下り最大37.5Mbps(5MHz幅×2)または最大75Mbps(10MHz幅×2、一部屋内のみ)の速度により提供を開始した(ただし、帯域幅表記は誤り訂正符号を含んでおり、これを除外すると31.3Mbpsと62.5Mbps)。
これによりFOMAハイスピード(14Mbps)の約2.7倍の通信速度が得られ、ADSL並の速度になり、宅内における有線ブロードバンド通信との速度差がほぼなくなるとされる。
現在は、屋外も徐々に10MHz幅×2に移行し始めており、2012年11月16日からは順次新800MHz帯(5MHz幅×2および10MHz幅×2)、1.5GHz帯(東名阪5MHz幅×2および東名阪以外15MHz幅×2)によるサービスを開始し、東名阪以外のエリアで下り最大112.5Mbpsの通信速度に対応した。なお、カテゴリー3端末を使用した場合は下り最大100Mbpsとなる。
東名阪エリアにおいては、2014年4月1日より1.5GHz帯(15MHz幅×2)によるサービスを開始する予定。
さらに2013年10月17日からは、FOMAで使われていた東名阪バンド1.7GHz帯の20MHz幅×2をXiへ転換することで、東名阪エリアで国内最速となる下り最大150Mbpsの通信に対応した。なお、iPhone 5s/5c などのカテゴリー3端末を使用した場合は下り最大100Mbpsとなる。
また、総務省が東名阪エリア限定の解除を行うことで、全国エリアでの展開も検討されている。
2014年度以降にはLTE-Advancedのサービス開始が予定されており、当初対応する端末は下り最大187.5Mbpsで通信が可能となる。
ようするにdocomoは使用する周波数帯を都度増やしながら順次サービスエリアの拡大と下り速度の高速化に取り組んでいるということです。
お住まいの地域や日本全国でどこが150Mbps対応したエリアなのかといった速度別のサービスエリアは、docomoのホームページで確認することができます。
- クアッドバンドLTE とは?
最近docomoのCMや広告で「クアッドバンドLTE」という言葉を見聞きします。
docomoは上で書いたように4つの周波数帯を使ってXiのサービスを行っていますが、その周波数帯をそれぞれ800MHz帯と2GHz帯で「広さ」を、1.5GHz帯と1.7GHz帯で「速さ」を、4波で「快適さ」を提供していく考えで展開しています。
クアッドとは「4つの」のという意味で、ようするにこの4つの周波数帯をフルに活用していこうという意味で使っているようです。
docomoのホームページにも「docomo LTE Xiはこの4つの周波数を効率よく利用し、より「速さ」と「快適さ」を強化しています。」と記載があります。
また、お持ちの携帯電話が対応する周波数帯が対応していないと書きました、例えばお持ちの携帯電話が2Ghz帯の電波しか受信できないアンテナを搭載していた場合、1.5Ghz帯の下り速度が速い電波が届いているエリアにいても受信できずに高速通信の恩恵をうけれないということになります。
そこでdocomoでは、この4つの周波数帯すべてに対応した携帯電話を発売してどこでもより快適な電波を使えるようにするなどサービスの改善に取り組んでいるようです。
現在docomoが発売している携帯電話がどの周波数帯に対応しているかという事をホームページで「機能・スペック一覧」として公表しています。
機能・スペック一覧(ドコモ スマートフォン) | 2013-2014冬春モデルの主な特長 | 製品 | NTTドコモ
- LTE通信の大敵?7GBでの通信制限
ここまでXiの電波やサービスエリアについて書いてきましたが、では実際Xiを利用するとなると注意しなければいけないことがあります。
それが1か月の通信量7GBでの通信制限です。
一昔前、docomoがi-modeというサービスを行っていたころ通信にともなうパケット通信料は従量制といって使った量にあわせて通信料が発生していました。その後、パケット定額制の「パケホーダイ」というサービスが始まり定額の月額を支払うことでデータ通信が使い放題になりました。
が、Xiのサービス開始にあたりみんなの通信するパケットの量が総じて爆発的に増えてきました。より速くより便利になったため、皆がみなデータ通信を使う頻度が高くなってきたからです。 そこでdocomoだけに限らず携帯電話各社は1か月間にある一定の通信量を超えた場合は通信を制限(まったく通信できないわけではないが、ものすっごく遅くなります)を行うと決めたのです。 その通信量が7GBです。(契約しているデータプランにより制限がかかる一定の通信量は変わります。)
docomoのホームページには以下のような記載があります。
<「Xiデータプランにねん」「Xiデータプラン」「Xiデータプラン フラット にねん」「Xiデータプラン フラット」「Xiデータプラン2 にねん」「Xiデータプラン2」の場合>
当月ご利用のデータ量が7GBを超えた場合、当月末まで通信速度が送受信時最大128kbpsになります。なお、7GB超過後であっても2GBごとに別途お申込み(2GBごとに2,625円加算)いただくことで、通常速度にてご利用になれます。
<「Xiデータプラン ライト にねん」「Xiデータプラン ライト」の場合>
当月ご利用のデータ量が3GBを超えた場合、当月末まで通信速度が送受信時最大128kbpsになります。なお、3GB超過後であっても2GBごとに別途お申込み(2GBごとに2,625円加算)いただくことで、通常速度にてご利用になれます。「Xiデータプラン ライト(にねん含む)」ご契約で128kbps通信解除をお申込みの場合、その他のデータ通信専用プランの上限額よりも高額となりますので、ご注意ください。
契約のデータプランに設定されている一定の通信量を超えた場合は速度が128Kbpsと制限されるが、追加料金を払えばまた一定の通信量までは解除しますよってことです。
この速度の違いをどれくらい違うのかと表現するのは難しいのですが、(ビットだぁバイトだぁメガだぁキロだぁといった細かい計算のことは抜きにして)
最大の下り速度150Mbpsを 150000000とすると
制限される速度128Kbpsは 128000こんな感じです。
その差は、約1100分の1です。とりあえず遅いってことです。汗
それではこの7GBの通信ってどれくらいで達してしますのかといいますと、これまた表現が難しいですが、
■7GBの目安
メールの送受信なら およそ1,870万通
ホームページの閲覧なら およそ50,600ページ
動画の視聴なら およそ33時間
音楽のダウンロードなら およそ1,790曲 ※7GBをパケット数に換算すると「58,720,256パケット」です。
上記の利用を1ヵ月間(30日換算)とした場合、1日あたりの平均は以下の通りです。
メールの送受信なら およそ62万通/日
ホームページの閲覧なら およそ1,687ページ/日
動画の視聴なら およそ1.1時間(66分)/日
音楽のダウンロードなら およそ60曲/日
出典:[SoftBank スマートフォン]「7GB」のパケット通信量でどのようなことができますか? | ソフトバンクモバイル
とSoftBankのホームページに記載がありました。冷汗
docomo編と題してdocomoの解説書いているのにSoftBankのホームページを使って説明しちゃいました。。激汗。。
と、見ていただければわかるかと思いますが、通常の日常範囲内での使用であればまずひっかかることはないかと思いますのでご安心ください。
- LTE-Advanced
ここまで書いてきたdocomoのLTEサービスである「Xi」ですが、ここまでLTEは4Gですよと説明してきましたが、このシリーズのその1に注意書きとして小さく
「※厳密には4Gではなく3Gの技術の延長のため3.9Gと呼ばれることもある。しかし4Gと呼ぶことを容認されており最近では一般的に4Gと呼ばれています。」
と書いてあったこと覚えていますか?
そうなんでLTEは厳密にいうと真の意味での4Gではないのです。そして今後登場するであろう真の意味での4Gに「LTE-Advanced」という通信規格があります。
LTEの延長線上にあるような技術で、LTEよりさらに高度化・高速化した規格で理論上の最高通信速度が下り1Gbps以上、上り500Mbps以上と光回線と同じような速度になると言われています。
もうすごいです。速いです。もうすごいというかひどいです。速すぎます。笑
doxcomoはこのLTE-Advancedを段階的に取り入れていこうと計画をたてているようです。現時点で、2015年には実用化しLTE-Advancedのサービス開始が予定されております。まず当初に対応する端末は下り最大187.5Mbpsで通信が可能となる予定とのことです。現時点では現行のLTEの5倍ほどの通信速度が出るといわれてます。
docomoのホームページにも簡単に解説が載っています。
もっと速く快適に | docomo LTE Xi 「Strong.(次世代のスピード LTE-Advanced)」 | エリア | NTTドコモ
参考:各メディアでも取り上げられています。
NTTドコモに聞く、LTE-Advancedや5Gなど次世代ネットワークはどうなる? 日経トレンディネット
ASCII.jp:もっと速く! ドコモが切り開くLTE-Advancedの未来 (1/5)
LTE-Advancedに向けたドコモの技術開発とは – ケータイ Watch
と、今回はdocomoが展開しているLTEのサービス「Xi」とその未来について書いてみました。次回以降はSoftBankやauについても書きたいと思っております。投稿時期はまだ未定ですが。。
少しはXiについての理解にお役にたてたでしょうか。ひとつでも「そうなんだ!」と思っていただけたことがあれば、おいらは幸せです。
また、もっとXiについて詳しい方や今回の記事で「ここ間違ってんで!」とかお気づきの方がいましたら、コメントやTwitter(@rikio33)で感想やご意見、ご指摘をいただけますとこれまたおいらは幸せです。
それでは今回は以上です。
ほなまた。