LTE?4G?
これまで「そもそもLTEってなに?4Gとは?できるだけ簡単解説してみる!」と題して、その1 、その2と、LTEと4Gについて、簡単にざっくりとその概要と通信規格の世代の移り変わりを書いてきました。
これからは、携帯電話各社のLTEについてこれまでと同じように”簡単でわかりやすい解説”を目指して書いていきたいと思います。今回は各社のLTEについて書く前段階として、LTEに使われている電波について書きたいと思います。
やったぜLTE対応スマホかったぜぇ!!と意気込んでみたけど、LTEおもったより普通じゃね?と思いきや隣町の駅でめっちゃさくさく通信速度にびっくらこいた!!という方や、実家に帰省したのに3G表記ばっかりで意味ないやん!!とか、携帯電話を普段使っている中で、エリアや電波の入り具合、はたまた通信速度に??となっている方々へ。
docomo
前回の その2でも書きましたが、現在(2014年)日本の携帯電話各社は3Gと4Gのサービスを平行して行っております。今回もdocomoのサービスを例に解説。
docomoではそれぞれのサービスに名前をつけています「FOMA(フォーマ」と「Xi(クロッシィ)」です。
※1.理論値であり実際の通信速度は、通信環境やネットワークの混雑状況に応じて変化します ※2.FOMAハイスピードエリアでの数値 ※3.一部地域のみ、また対応端末の場合。
このように3G規格であるFOMAと4G規格のXiとでは通信速度が大きく違います。またそれぞれに対応した携帯電話で対応したエリアでないと使えません。 そもそもLTEってなに?4Gとは? できるだけ簡単解説してみる!・・その1で書いたように電波そのものの通信規格が違うからです。 しかし携帯電話機に内臓されているアンテナがそれぞれに対応していれば両方のサービスを利用できます。現在販売されている携帯電話はまず両方ともに対応しています。
Xiのエリアから出た場合、FOMAのエリアであればそのままFOMAのサービスが使えますし、またXiのエリアに入ればXiのサービスが使えます。
もちろんその時のデータの送受信はそれぞれのサービスの通信速度となります。
では、同じXiエリア内で、通信速度が速かったり遅かったりすることってありますよね。誰しも経験あると思います。だいたいそういう時は、電波が混雑してんのかな?程度で済ませていると思います。
でも実はその通信スピードの早い遅いは混雑などではなく、そもそもそのエリアに届いている電波の違いによるものかもしれないという話。
LTE
・「LTE」の電波について
上の図をみるとLTEである Xi の通信速度はものすごく早く快適に通信できるとお思いかもしれません。しかし※3にもある通り一部地域のみ、また対応した端末でとなっています。
では、その一部地域以外や対応していない携帯電話の場合の通信速度とはどのくらいでしょうか。 同じLTEでも速度が違うということなのでしょうか?
まずは、そのLTEの電波について書きたいと思います。
ここで、まずは「プラチナバンド」から始めます。一時期SoftBankのCMで「プラチナバンド」という言葉がよく出ていました。ほとんどの方が知っているかと思います。この「プラチナバンド」とは何かというと、携帯電話用に使う電波の中でも、すごく使いやすい(携帯電話に適している)電波のことを指す言葉です。
そもそも電波には周波数というものがあります。800Mhz(メガヘルツ)とか1.5Ghz(ギガヘルツ)などと数字とhz(ヘルツ)という単位で表します。
また電波とは読んで字のごとく「波」のように上下しているものとして表すことができるのですが、この数字の大小を使って電波の「波」の違いを表しているのです。
そしてこの波の違い(周波数の違い)によって、遠くまで飛ぶもの飛ばないもの、まっすぐにばっかり飛んでちょっと曲がったりするのが苦手なもの、曲がったところにも飛ぶものといった特性があります。
で「プラチナバンド」に話を戻すと、それまでSoftbankは2.1GHz帯および1.5GHz帯と呼ばれる電波を使って携帯電話のサービスを行っていました。この2.1GHz帯および1.5GHz帯の電波はまっすぐ遠くまで飛ぶことは得意なのですが、障害物(ビルや壁など)があったりした時に回り込んで行くのが不得意だったのです。ようするにビルや家の建物の中にまで電波が届き辛い=圏外になりやすいという状況だったのです。そんな中、国から900Mhz帯の電波も使っていいよと許可がでて、2012年の7月にこの電波を使って携帯電話のサービスを始めました。
900Mhz帯の電波はこれまでの2.1GHz帯および1.5GHz帯の電波に比べると、障害物(ビルや壁)があっても回り込んでいく特性が強く、まさに携帯電話の電波に最適だったのです。
※「プラチナバンド」・・一般的に日本では700Mhz帯~900Mhz帯の電波のことを指す。貴金属のなかでも価値の高い「プラチナ」のような電波だということで「プラチナバンド」と名づけられたのかなと私は思います。
以上から、周波数によっていろんな特性があるというわけです。携帯電話の電波に関しては周波数をピンポイントで○○hzと表すよりも○○hz帯というようにその帯域だよと表現することがほとんどです。
・周波数帯の幅について
ではでは、docomoのXiの場合はといいますと、Xiのサービスでは、800MHz帯、1.5GHz帯1.7GHz帯、2GHz帯の4つの周波数帯を使ってます。
地域・場所にあわせてdocomoがどの周波数帯を使うのかを適宜決めてサービスを行っています。
さて、さきほどXiのデータの送受信速度はこれまでのFOMAと比べてもものすごく速いと書きました。
しかし、どの周波数帯を使ってもXiエリア内では一様に同じ速度なのでしょうか。そうではありません。
その周波数帯の中で、その幅をどの程度使うかによって速度は変わるのです。
道路に例えてみます。自宅から職場まで「1.5Ghz帯」と名前の付いた道路があったとしましょう。
この道路は現在片側1車線の道です。自宅から職場に行く道が1台分の幅、職場から自宅に帰ってくる道が1台分の幅という状態です。 仮に100台の車で自宅から職場に一斉に向かうと仮定したとすると、1車線しかない現在だと、1台づつ縦一列で向かうしかありません。これがもし片側2車線だった場合はどうでしょう。自宅から職場へ向かう道が車2台分の幅があるということなので、2台づつ並んで同時に行くことができます。100台すべてが職場に着くのが半分の時間で済みます。
この話を道路を1.5Ghzの電波、車線を幅、自宅を自分自身のもつ携帯電話、職場を友人などの持つ携帯電話、車を送信したいデータと置き換えてみてください。 使える電波の幅が2倍あれば送信にかかる時間は早く済みますよね=通信速度が速いということです。
イメージとしてはこういった感じです。
ある一つの周波数帯を使うといっても、そこで使っている幅(帯域の幅)によって速度はかわるのです。
では、docomoのXiで理論値の最高受信速度である150Mbppsが出るところとは、周波数は何hz帯を使い、幅はどれくらいあるのでしょうか。
※1.理論値であり実際の通信速度は、通信環境やネットワークの混雑状況に応じて変化します ※2.対応している地域のみ、また対応端末の場合。
上の図の通り、1.7Ghz帯の中の20Mhz幅を2つ分(合わせて40Mhz幅)の電波を飛ばしているところ(電波が届くエリア)で最大150Mbpsの受信速度で通信ができます。
また逆に、その下に記載のある1.5Ghz帯の電波を飛ばしているところでは、同じ周波数帯を使っていますが、その帯域の幅の違いによって受信の最高速度が違います。
このように、使われている周波数帯が同じであっても帯域の幅が違えば通信速度は変わるのです。ある離れた2つの地域それぞれで同じ周波数帯の電波が飛んでいたとしても
帯域の幅が違えば速度が違います。
どの地域でどの周波数帯を使い、それくらいの帯域の幅を使うかということは、各携帯電話会社が決めています。また、よりよいサービスを行おうと日々各地で変更し調整がされています。
・携帯電話の機種による違い。
またこれは、お持ちの携帯電話の機種によっても変わってきます。例えば150Mbpsの速度で受信することができるエリア内であっても、お持ちの携帯電話がその周波数帯もしくは帯域の幅で受信することのできない携帯電話だった場合は、150Mbpsでの受信はできません。
携帯電話が内臓しているアンテナによって、受信できる周波数帯や帯域の幅が決まっているからです。
例えばiPhone 5s/5cの場合、150Mbpsの速度での受信に対応した電波が届いているエリアであっても、内臓しているアンテナは1.7Ghz帯に対応はしていますが、対応している帯域の幅が若干狭く、最高で100Mbpsでの受信となります。
同じXiのサービスとはいえ、場所によって37.5Mbpsだったり150Mbpsだったり、またお持ちの携帯の機種によっても受信の速度が大きく違っていますが、Xiというサービスに違いはありません。また、受信速度の差が激しいとはいえ3GのサービスであるFOMAと比べるとやはり速いことに変わりはないということです。
では今日のまとめ
・電波には周波数帯という違いがあり、各携帯電話の会社は複数の周波数帯を使ってLTEのサービスを行っている。
・周波数帯によって遠くまで届きやすい、障害物に強い弱いといった特性がある。
・同じ周波数帯であっても帯域の幅によって通信速度が違う。
・ある1つの携帯電話の会社の電波であっても、地域・場所によって届いている電波は周波数帯や帯域の幅がちがう。
・よって周辺の電波の混雑などに関わらず、同じLTEのサービスでも理論値の最高速度が大きく違う。
・また携帯電話に内臓されているアンテナには対応する周波数帯域と帯域の幅の違いがあり、機種によって通信速度が違う。
・いくら周波数や帯域の幅、携帯電話の機種による通信速度の差が大きくても、4GであるLTEは3Gのサービスより理論的には高速である。
といったところです。
次回以降は携帯各社のLTEについて取り上げていこうと思っています。
乞うご期待!!てか?笑
そういえば電波の波といえば、「オシロスコープ」!!
だから何?言われたらそれまでですけど。。はい苦笑
今回は以上です。
ほなまた。