iPhone と バッテリー
Appleが、iPhoneの古いモデルのパフォーマンスを意図的に制限していたとされる問題。
現在も世界中で訴訟が起きたり、国が調査に乗り出すなど、波紋が広がっています(‘Д’)
2017年12月初旬、あるiPhoneユーザがネット掲示板に、「古いiPhoneのバッテリーを交換すると、パフォーマンスが回復する」という趣旨の投稿を行ったのが事の始まり。
その後、有名なベンチマークアプリである「Geekbench」がベンチマークテストの結果を公表した直後、Appleが事実を認める羽目に。。
バッテリー交換
そんな状況を打破するためか、Appleは古いモデルのバッテリーの交換を、これまでの価格設定を低くして交換対応するプログラムを開始しています。
Appleは、バッテリーの交換が必要なiPhone 6以降をお持ちの方全員に対して、保証対象外のiPhoneのバッテリー交換の金額を8,800円から5,600円減額し、3,200円とします。この対応は2018年12月まで全世界で継続します。
Apple
パフォーマンスとバッテリーとの関連性について
そんな中、Appleはより詳細なバッテリーとiPhoneとの関連性についてサポート文書を公開しています。
Appleは「iPhone」が搭載しているリチウムイオンバッテリーは消耗品であり、バッテリーの耐用年数には「化学的経年劣化」が関係している。
これには単に時間の経過だけではなく、充電サイクルの回数や手入れの仕方などのさまざまな要因が含まれていると説明。
そしてこのような説明を記載しています。
充電式バッテリーはすべて消耗品で、化学的経年劣化が進むにつれて性能が低下します。
リチウムイオンバッテリーの化学的経年劣化が進むと充電可能な容量が低下し、その結果、再充電が必要になるまでの時間が短くなっていきます。これは、バッテリーの最大容量 (新品時と比較したバッテリー容量の基準) の低下と言うこともできます。さらに、バッテリーの最大瞬時給電能力 (ピーク電力) も低下する可能性があります。iPhone が正常に機能するためには、バッテリーが電子部品に瞬時に給電できなければなりません。この瞬時給電に影響を与える属性の一つがバッテリーのインピーダンスです。バッテリーのインピーダンスが高いと、システムが必要とする電力を供給することができません。化学的経年劣化が進んだバッテリーでは、このインピーダンスが増加する傾向があります。バッテリーのインピーダンスは、充電残量が少ない状態や低温環境下でも一時的に増加します。このような状況と化学的経年劣化が重なると、インピーダンスの増加はさらに顕著になります。こうしたバッテリーの化学的特性は、業界全体に普及しているリチウムイオンバッテリーすべてに共通するものです。
インピーダンスが高いバッテリーから電力が供給されると、バッテリーの電圧が急激に低下します。電子部品が正常に動作するには最低限の電圧が必要です。たとえば、デバイスの内蔵ストレージ、電源回路、バッテリー本体などがそうです。電源管理システムはバッテリーの性能を判断した上でこうした電力供給を行い、システムが継続的に動作できるように負荷を管理していますが、電源管理システムの能力を最大限に発揮しても継続的な動作が難しくなると、電子部品を保護するためにシステムがシャットダウン (システム終了) します。このシャットダウンは、デバイスの観点からすれば意図的な動作ですが、ユーザにとっては想定外、すなわち「突然シャットダウンした」ということになりかねません。
ようするに、バッテリーの
インピーダンス
これが重要キーワードのようですね。。。(‘ω’)
と、インピーダンスという言葉。
はい。初耳な私です。。相済みません(+_+)
ほんと簡単に要約すると、
1、経年劣化が進む。
2、インピーダンスが高くなる。
3、突然のシャットダウンといった不具合が起きやすくなる。
こういう流れかと推測できます。合ってますかね?(‘Д’)
Appleの対応
上記のようにインピーダンスが高くなった際に、不具合が起きないためにAppleは下記のような対策をとっているとのこと。
突然のシャットダウンを防ぐために
バッテリーの充電残量が少ない、化学的経年劣化が進んでいる、周囲温度が低いといった状況下では、突然のシャットダウンが起きる可能性が高くなります。極端な場合はシャットダウンが頻繁に起こり、その結果、デバイスが不安定になって使えなくなることもあり得ます。iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone SE、iPhone 7、iPhone 7 Plus では、iPhone を継続して使えるようにするために、iOS がパフォーマンスの瞬間的なピークをダイナミックに管理し、突然のシャットダウンを防ぐようになっています。ちなみに、このパフォーマンス管理機能は iPhone 固有のもので、ほかの Apple 製品には適用されません。
このパフォーマンス管理は、デバイスの動作温度、バッテリーの充電状況、バッテリーインピーダンスを総合的に判断した上で機能します。これらの可変要素を考慮した上でどうしても必要とされる場合に限り、突然のシャットダウンを防ぐために、iOS は CPU や GPU などの一部のシステムコンポーネントの最大パフォーマンスをダイナミックに管理します。その結果として、デバイスの負荷が自己分散され、システムタスクの配分がスムーズになり、パフォーマンス・スパイク (大きな負荷が瞬間的にかかる状態) が回避されます。中には、毎日 iPhone を使っていて特に違いは感じないという方もおられるでしょう。実際にどの程度の変化が感じられるかは、個々のデバイスで必要とされるパフォーマンス管理の程度によって異なります。
このパフォーマンス管理が極端な形で必要とされる状況では、以下のような変化が見られることがあります。
- App の起動に時間がかかるようになった。
- スクロール中のフレームレートが低くなった。
- バックライトが暗くなった (コントロールセンターで設定の変更が可能)。
- スピーカーの音量が小さくなった (最大で -3dB)。
- 一部の App でフレームレートが徐々に低下する。
- さらに極端な場合は、カメラのフラッシュがカメラの UI に表示されているにもかかわらず使用できなくなる。
- バックグラウンドで更新されるはずの App が起動中に再読み込みされることがある。
重要な分野の多くはこのパフォーマンス管理機能の影響を受けません。たとえば以下の機能は影響を受けません。
- 通話品質やネットワークスループット
- 撮影した写真やビデオの品質
- GPS のパフォーマンス
- 位置情報の精度
- ジャイロスコープ、加速度センサー、気圧計などのセンサー
- Apple Pay
iOS11.3では?
これまでお伝えしてきたように、「iPhone」とバッテリーとは緊密な関係であることが窺えます。
そこで現在、Appleが鋭意開発中の「iOS11.3」では、より一層のバッテリー管理が行われることになりそうです。
iOS 11.3 では、このパフォーマンス管理機能が改善され、突然のシャットダウンを防ぐために必要なパフォーマンス管理のレベルが定期的に評価されるようになりました。バッテリーがピーク電力の必要条件に対応できる状態であれば、パフォーマンス管理のレベルが下がります。突然のシャットダウンが再び起こった場合は、パフォーマンス管理のレベルが上がります。この評価は継続的に行われるため、より状況に即したパフォーマンス管理が可能になります。
と、このようにAppleは「iPhone」と「バッテリー」の管理に力を入れてきていることが窺えますね( *´艸`)
今回Appleが公開した「iPhone のバッテリーとパフォーマンス」と題したサポート文書。
その詳細は下記からご覧いただけます。
それでは今回は以上です。
ほなまた。
via Apple